2008/06/28(土) 06:48:16 [雇用制度論]

 働く女性の7割以上が出産後に仕事を辞めている――。東京市町村自治調査会の「多摩地域の子育て支援調査」でこんな実態が分かった。調査会は「必要な子育て情報を伝えて生かすシステムや、男女や世代間の協力で地域の子育て力を引き出すべきだ」と提言している。

 調査は多摩30市町村の20歳代以上の男女を対象に2007年9月、インターネットで実施し、1000人が回答した。このうち6割近い573人は子供がいて、その9割以上が「子育ては楽しい、楽しかった」と答えた。

[2008年6月27日/日経産業新聞]

 少子化・人口減社会の進行で女子労働力の活用は大きな課題だ。大企業は育児支援のためいろんな制度を導入しつつある。

 しかしこの調査は出産したら多くの人が退職する現実を明らかにしている。まだまだ企業の育児支援がいわば中途半端なものになっているのではないかと思われる。

 現在の育児支援は小学校や中学校卒業までの間の「一時的な短時間勤務」や「自宅勤務」などが多い。つまり正社員の就業制度を一時的に緩和し子育てが終わったら正社員の就業に戻るということだ。これでは個々の事例のニーズには必ずしも合わないことがあろう。

 社員が就業制度を選択・カスタマイズできるような柔軟さが必要である。それに応じた要員配置・職務設計を行なうことが望まれる。会社のシステムに社員が合わせるこれまでの制度を逆にすることだ。

 つまり会社が社員の必要に合わせることが今後の人事制度の課題である。

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2008/06/13(金) 07:14:47 [雇用制度論]

 厚生労働省が全国の企業やその従業員を対象に実施した「能力開発基本調査」によると、事業所の8割弱が、従業員の能力開発や人材育成に「問題がある」と考えていることが分かった。一方、7割前後の従業員も自己啓発に「問題がある」と考えていた。生産性を向上するために、より効果的な社員教育のあり方が問われそうだ。

 従業員の能力開発や人材育成について尋ねたところ「問題点がある」と答えた企業が77.3%あった。理由は「指導する人材が不足している」(50.5%)や「人材育成をする時間がない」(47.3%)が上位に並んだ。

[2008年6月12日/日経産業新聞] By Nikkei BizPlus

 終身雇用制度が崩壊するにつれ、新卒を採用し企業内で育てることから、手っ取り早く中途採用で転職を受け容れる企業が増えている。

人材を育成しても途中で退職されてしまったら、元も子もないのだ。しかし中途採用の増加と共に企業カルチャーや帰属意識に問題が生じている。経験者を採用しても逆に自社の商品・技術への不慣れという問題もある。

どこも定員ぎりぎりに絞ればOJTになる。言葉はいいがOJTは放任主義でもある。大きな部門ごとに欠員補充要員を余分に配置したい。有休や病気などの代替要員も含め制度化することが必要だ。

目先の労務費の増大だけに目が向いていては、将来の人材の力量不足は避けられない。教育は企業活動の必須要件なのだ。

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2008/05/22(木) 06:24:17 [雇用制度論]

共働き 9割が「取りにくい」

 民間企業で働く男性の3割が育児休業制度を利用したいが、実際の取得となると、共働き男性の9割近くが取得しにくいと考えていることが20日、仕事と家庭の両立支援に関する厚生労働省の委託調査でわかった。

 調査は、民間の研究所が2007年11〜12月に実施。全国の企業4000社で働く40歳以下の正社員1万2000人が対象で、763社の企業と1553人の従業員から回答を得た。

 それによると、男性の31・8%が育児休業制度について「利用したいと思う」と回答。必要性が高いと見られる共働き男性に尋ねたところ、「取得しにくい」という回答が86・3%に上り、制度を使いたくても利用しづらい現実がうかがえる。

 育児短時間勤務制度については男性の34・6%、女性の62・3%が「利用したい」としたが、制度自体を導入していない企業が38・8%に上った。企業側は「対象となる従業員が少ない」「制度のニーズがない」を導入しない理由に挙げており、社員との認識の違いも浮き彫りになっている。

(2008年5月21日 読売新聞)

 育児は女性の仕事という古い観念をいかに払拭するかが問われている。特に企業側の意識改革がまだまだ進んでいない。

休業中の代替労働力の確保が難しいことが取得を躊躇する原因ではあるが、「男性が育児休業!」という周囲の反応こそが最大の問題だろう。

 休暇の取得を当然とする意識改革に取り組むことが重要であり、休業中の給与補償やSOHOやIT利用でいざと言う時の就業も認めるなど、柔軟な総合的な施策が課題となっている。

またこうした慣習を打破するためには法の強制をある程度強化することも考えるべきだろう。

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2008/05/21(水) 06:21:59 [雇用制度論]

 高齢社会白書は、就労意欲や社会参加意欲のある高齢者を「高齢社会を支える貴重なマンパワー」と位置づけた。高齢者の活用は、仕事と子育てとの両立などに悩む若年者世代を支える効果が期待でき、「世代間の仕事の分担」にもつながる。

 ただ、高齢者の就労を巡っては、年齢差別が現実の壁となっているとの指摘もあり、企業の一層の努力が求められる側面が大きい。

 福田首相は、後期高齢者医療制度への批判を踏まえて、総合的な高齢者施策を打ち出す考えを示しているが、20日の閣僚懇談会で、「元気なお年寄りがボランティア活動やNPO(非営利組織)的な組織作りをすることを政府が支援する体制があっていい。お年寄りは社会に十二分に役立っている存在だとの観点で対応することが大事だ」と強調した。政府、民間が一体となって、高齢者の社会参加を進める道筋を具体的に示す必要がある。(政治部 向井ゆう子)

(2008年5月20日 読売新聞)

 定年制度は文字通り「一定年齢で職業生活からのリタイア」を意味している。60歳までの定年延長までは一律の「定年」だったが、今や年齢という要素から「個々の生き方」をいかに実現するか、が課題だ。

第一線から退いたあとも短時間の就業で社会に貢献したい希望を持つ人も多い。現役世代のサポート要員として十分な経験を有している人も数多くいる。

 要員配置を見直し、仕事の進め方を改革することで有機的な連携が可能と考える。人手不足がいずれ深刻になってくる中で若手ばかりを求人するのではなく経験者として60歳以上の就業を受け容れたらどうだろう。

今の60歳は昔の60歳とは格段に異なり元気だ。ゆうゆうと働ける就業制度をぜひ導入して欲しい。

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2008/05/19(月) 05:59:49 [雇用制度論]

 子育てと仕事を両立できるように、厚生労働省は企業に短時間勤務と残業を免除する制度の導入を義務づける方針を固めた。少子化対策の一環で、育児休業を取った後も、働き続けられる環境を整えるのが狙い。早ければ、来年の通常国会に育児・介護休業法の改正案を提出する。

 有識者らによる厚労省の研究会が6月にもまとめる報告にこうした方針を盛り込む。経営者側から反対も予想されるが、厚労省は少子化対策の柱として実現を目指す。

 育児・介護休業法は、3歳未満の子どもを持つ人が働きながら子育てしやすい環境を整えるため、(1)短時間勤務(2)残業の免除(3)フレックスタイム(4)始業・終業時刻の繰り上げや繰り下げ(5)託児施設の設置運営(6)育児費用の援助措置――のいずれかの導入を企業に求めている。

 厚労省は昨年、40歳以下の正社員を対象にアンケート(回答数約1560)。育休が取れなくなる1歳半以降の子どもを育てる際に、短時間勤務と残業免除が必要だとする答えが多かった。一方、別の調査で、短時間勤務制度のある企業は31%、残業免除は23%にとどまっていた。

 こうした実態をふまえ、厚労省は育児と仕事の両立には短時間勤務と残業免除が有効と判断。利用できる期間も小学校入学前後の時期まで延長することも検討する。

 研究会では、義務化する方法として、従業員が会社側に短時間勤務や残業免除を請求できる権利を与える仕組みも論議している。

 政府は「子育てか仕事か」の二者択一を迫られる状況が少子化の背景だとして、多様な働き方の普及や長時間労働の是正を目指す少子化重点戦略を昨年末に決めた。厚労省は今後、原則1回しか取れない育休の再度取得や、取得率1%未満の父親の育休取得を促す仕組みの具体化も急ぐ。(高橋福子)

2008年05月19日03時02分 ASAHICOM

 残業免除は仕事の途中で帰宅することを認めることにもつながること。仕事の内容も考えずに法的規制に走ることはやや抵抗がある。

仕事か育児かという二者択一の発想ではなく、仕事も育児もというポリシーが欲しい。在宅勤務やSOHOの推進などはこうした方向のありかただろう。また企業内保育園なども仕事と育児との両立の施策である。

いずれにしても短期的な視野ではなく長期的な視点で「仕事と私生活の融合」新しい就業体制を目指すべきと考える。

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2008/05/03(土) 07:13:53 [雇用制度論]

 リクルートが発表した「女性の活躍促進に関する調査」によると、女性社員の4割以上が「所属企業が出産や育児支援に真剣に取り組んでいない」と感じていることが分かった。優秀な女性を確保するため、各企業は社員の出産や子育て支援への取り組みを強化する必要がありそうだ。

 所属企業の経営者が出産や育児に対する支援に本気で取り組んでいるかどうかを尋ねたところ、女性総合職の42%、非総合職の女性社員の48%が「そうではない」と回答した。

[2008年5月2日/日経産業新聞]

 少子化・労働力不足時代の到来で女性の活用は待ったなしの課題だ。大手企業を中心に子育て支援制度が登場している。しかし実際の利用者である女性にはまだまだ「形だけの支援」と映るようだ。

事実、制度を利用する人は殆どいないという企業もある。何故か、は個々の企業の制度設計が中途半端になっているのではないか?
社員は9時から5時まで勤務するという「伝統的な勤務形態」を(子育てを支援するため)一部緩めるという発想に止まっているのだ。

そうした思想では真の制度は生まれない。会社中心の考え方を根本的に変えることが重要だ。これからの就業制度は個人の都合を中心に据えることが必要なのだ。

就業制度を多様化することだ。いつも顔を合わせて仕事をするということすら否定することが出発点にならなければならない。

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2007/04/10(火) 11:06:17 [雇用制度論]

労働力不足時代の対応で退職者の復職制度が採用されている。
次の記事はカゴメの事例である。

カゴメ、自己都合退職者の復職制度を新設

 カゴメは19日、自己都合退職者の復職制度を新設したと発表した。結婚や配偶者の転勤などの理由で退職した社員の能力や技術を再活用する。他社へいったん転職した社員も対象とする。優秀な人材を集め競争力の強化につなげる。

 自己都合退職者全員(60歳まで)が対象で、制度新設を約300人に往復はがきで案内する。7月から復職希望者の登録を受け付ける。転職者は他社に勤務中でも登録することができる。登録時にはパートタイムかフルタイムかなど勤務形態についても希望も聞く。

 同社は登録リストを作成。全国の支店や工場などで人員の補充が必要となった場合、当該部署からの要望に見合った人材と1年以下の期間契約社員としての再雇用契約を結ぶ。給与水準は未定。復職者の希望と能力が認められた場合、正社員へ復帰する可能性もある。

2006/4/19 NIKKEI BIZ

かつて在籍した人の業績ははっきりしているので中途採用よりはリスクは少ない。加えて社内事情に詳しく文字どうり即戦力である。

短期的には補充要員としての扱いだが長期的には社外経験を積んだ人材の確保という視点で、期限付きでリターンができるという制度が考えられる。

新卒に対して一定の年限有効な入社内定を与える会社がある。一旦退社する者に対しても同様に3年程度の期間の復職制度はキャリアの蓄積という観点で必要がある。

かつて教育の一環で社外経験を積ませた会社があった。これはそのことと同じ効果だ。積極的に導入する価値がある。勿論一定の条件をクリアすることを条件とすることは当然だ。

就業制度の多様化(短時間労働、週休3日、SOHOなど)を基本とするが休職制度ないし復職制度も重要な検討課題である。


2007/03/25(日) 12:24:06 [雇用制度論]

次の松下電器の人事評価は大上段に振りかぶったもの。
松下、人事評価を点数制に

 松下電器産業は4月から社員の人事評価に完全ポイント(点数)制を導入する。職務に必要な技能(スキル)を約450に分類、社員の各分野での能力を数値化する。部長職に相当するグループマネジャーまで約7万5000人の社員が対象。細かく数値化することで評価を分かりやすくし、公平感を高める狙い。大手製造業が人事評価で全面的にポイント制を導入するのは珍しい。

 松下は所属部署での「貢献度」と、各自が持つ「スキル」の2つで社員を評価している。貢献度は2年前から数値化したが、スキルの評価は明確な基準が乏しかった。

[2006年3月25日/日本経済新聞 朝刊]

評価は所詮いいか、悪いかだ。どちらでもなければ標準だ。細かく数値化すれば分かりやすくなるという考え方は全く疑問だ。

所詮各職務に要求されるものは細かくすればするほど独自の評価要素に分けられる。技術系と事務系の仕事が細かな点で一致するはずがない。まして450もスキルを分類するというのは無謀なこと。

更に技術は日進月歩で進歩するもの。松下のやり方では毎月のように評価要素の見直しが不可欠となる。

そもそも制度は各人への納得できる基準を与えるもの。他の職務の細かなスキルの有無が評価とどう関係するか誰も正確に判定はできない。

評価は基本的な要素を判定すればそれで足りるもの。やたら細かくしたら却って比較できなくなり分からなくなる。
デジタル化を進める松下のやり方は明らかに間違いだ。


2007/03/22(木) 13:48:32 [雇用制度論]

職種別賃金体系や職種別採用が導入されている。世間水準を意識した賃金管理で無駄なコストを削減する狙いがある。次の武田薬品が典型例だ。

武田が職種別賃金導入・高水準下げ採用再開

 武田薬品工業は28日、職種別賃金制度を導入すると発表した。第1弾として製造職と一般事務職、実験などを補助する研究補助職の3職種について4月支給分から適用し、最終的に全21職種に導入する。賃金水準を他産業に近づけることで、国際的なコスト競争力の維持と人材確保の両立を狙う。

 第1弾として導入する3職種は他産業に比べて賃金水準が高いため職種別賃金の導入で下がることになる。今後5年は現行水準の月例賃金を補てんするほか、賞与は段階的に新たな賃金水準に移行させる。

 製造職や研究補助職は賃金水準が下がることで総人件費に余裕が生まれるため、中止していた新卒採用を再開する。製造職は1998年から、研究補助職は97年から新卒採用がなかった。

[2006年3月1日/日経産業新聞]
終身雇用の崩壊で企業に囲い込むための賃金政策は終焉を迎えつつある。世間より高い給与を保証し一生を安心して託せる考え方が企業経営だったが職種別の水準を維持すればいいということだ。

結局職種別の賃金水準は世間水準とし、無駄な(世間より高い部分)は下げるということだ。必然的に給与は配属された職種で差をつけようということだ。

特に異なる業態を一つの会社で経営している場合はある意味で必然の流れなのだ。給与を高い業態に合わせれば全体的にコスト高となる。

課題は配属権を会社が専権事項として保持していることについて適正な見直しが必要である。
本人が希望しない所属でそれがゆえに低い賃金で我慢しろということは酷なのだ。

必然的に進む職種別賃金と配属権を社員に渡す新しい仕組みが構築される必要がある。就業条件の多様化と並んだ重要課題である。


2007/03/21(水) 08:51:25 [雇用制度論]

退職金の前払い制度が進行中だ。退職金を引当金で持っている会社は無税引当をいずれなくすという行政の動きから従来年金化を進めてきた。

しかし年金の規程額を支払うためには追加原資が必要な経済情勢が続いたことで年金移行は鈍ってきた。年金基金の運用が予定の運用益(予定利率)の足せず、基金によっては基金そのものが減少した。

団塊世代の定年退職を目前にして負担の多い年金制度は嫌われ、次第に一定額しか拠出しない年金(確定拠出年金)が年金の主流になりつつある。

更にバブル崩壊後、年功序列・終身雇用が見直され定年まで勤める人が減少したことも退職金や年金制度の魅力を失わせてきた。

退職金は老後生活費の支えであり政府の退職金や年金政策は疑問があるが、社員にとっても将来の不確実な退職金(引当金)よりは現実の前払いを求めるニーズがある。

退職金前払いに関する記事

全社員に退職金前払い制  日興グループ、来春から

 日興コーディアルグループと傘下の日興コーディアル証券は26日、現行の退職金・年金制度を廃止し、積み立て分を毎月の給与に上乗せして払う「退職金前払い制度」を、来年4月から全社員対象に導入すると発表した。

 前払い制度は松下電器産業などが従来の退職金制度との選択制で導入しているが、全社員を対象にするのは上場企業全体でも珍しい。

 日興グループは、業務範囲の拡大や専門化を受けて即戦力の中途採用を増やしており、退職金制度を廃止して人材流動化に対応する狙いがある。

 対象は合計で約5000人。来年4月時点でこれまでの積み立て分を一時金として払い、前払い制度に移行する。一時金費用として来年3月期決算で90億円の特別損失を計上する見通しだ。(共同通信)

Kyoto Shimbun News 2005年12月26日(月)

退職金の前払い制度はこうした背景で更に導入する企業が増えるものと思われる。ただし確定拠出年金の導入も一つの検討課題である。


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