2009/08/15(土) 07:39:24 [雇用制度論]


 小売り各社が従業員数の過半を占めるパート・アルバイトの勤労意欲向上策を相次ぎ打ち出している。月給制や正社員への登用枠を導入したり、手当の付く役職を設けたりして戦力アップを目指す。スーパーの売り上げは前年割れが続き、コンビニエンスストアも6月に14カ月ぶりのマイナスに失速。福利厚生などの人件費負担が重い正社員を大幅に増やさずに販売力を高める。

 パートの月給制度を導入したのはサミットと京王電鉄傘下のスーパー、京王ストア(東京都多摩市)。各店舗の部門責任者など実績のある従業員を対象に、給与の支給方法を社員と同じにして意欲の向上を図る。支給額も時給換算で通常のパートより高くする。1日8時間のシフト制で週4〜5日働くのを基本とし、転勤は原則させない。(07:00)

2009/08/15 Nikkei Net


 パート社員の働き方が多くの雇用を可能とする。朝から夕方まで所謂正社員として働けないライフステージにある人がいる。子育てもそのひとつだ。金太郎飴のように画一的な就業条件がメインでそれ以外はつけたしという発想では今後は乗り切れない。

 むしろ正社員の就業制度を多様化し柔軟にするという発想が必要だ。だからパート社員の時給を月給化するという視点では不十分だ。

 週休三日や四日の正社員がいたり午前中勤務や午後勤務の正社員がいるという発想だ。

 給与制度をどうするか、が問題という見方もあるだろう。しかしこれは就業時間比率で決定すればいいこと。時間の長短は抜きにして業績評価をし時間比率を掛ければいい。そんなに難しく考える必要はない。


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2009/08/05(水) 06:04:41 [雇用制度論]


 カシオ計算機は3日、人事システム事業を強化するため、新会社「カシオヒューマンシステムズ」(東京・渋谷)を設立すると発表した。システムの開発から販売、保守まで一貫して手がける体制を整え、競争力を高める。2011年3月期に70億円の売上高を目指す。カシオはグループ企業の競争力強化を経営課題に掲げており、新会社の発足もその一環。

 10月1日付で営業を始める。資本金は1億円でカシオが全額出資する。本体の人事システム関連事業に加え、子会社のカシオソフト(東京・渋谷)の人事システム事業も承継する。社員数は当初260人で始動する。

[2009年8月4日/日経産業新聞]


 人事制度は人材の効率的な活用や社員のモラルの維持・向上を期するもの。とかくにシステム化は正確な人事記録や公平な評価・処遇することに必須のものと思われている。

 しかし筆者はどんな会社でも同質の人事システムが妥当するとは思わない。大会社と従業員1000人程度以下の会社とは人事管理の質が異なる。例えば従業員数万人の企業では一人の人事担当者が全員と面談することは不可能である。対して数十人の企業なら全員と面談することはできる。

 つまり全員の顔や経歴を暗誦できるかできないか、でコンピューター化の必要性は各段に異なる。1000人程度なら一人の人事担当者が全員の顔を浮かべることは不可能ではない。人事記録はサポート程度でもいいのだ。

 複雑な人事制度・評価制度にはやたら細かい記録が要求されるが、いくらシステム化しても、社員が納得できるかどうかには直接関係ない。例えば上から目線でお仕着せの評価制度や異動・昇進管理であれば社員の納得は得られない。

 正確な記録はなくとも受けての社員の納得できる仕組みこそが重要なのだ。


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2009/07/27(月) 06:10:16 [雇用制度論]


 政府や地方自治体がワークライフバランス(仕事と生活の調和)に取り組む企業の支援を強化している。厚生労働省はワークライフバランスを後押しする専門家を活用した企業を支えるため、人件費の助成制度を年内にも導入する。東京都足立区や秋田県のように、企業向けの助言・相談業務に乗り出す自治体も増えてきた。景気後退で労働時間が減るなか、仕事と育児・介護などとの両立を考える好機になりそうだ。

 ワークライフバランスは働き方を見直すための試みだ。企業が社員の働く時間や日数を減らしたり、年次有給休暇の取得を促したりする。(07:00)

2009/07/26 Nikkei Net


 働きすぎは心身を消耗している。坂道をエンジン全開でうなりをあげる車はエンストするのが落ち。

 かつて日本人は仕事一筋で人間的余裕の少ないというイメージがあった。いい仕事をするにはいつも全力ではいけない。休まないことを誇りにする人もいるが可哀想な人と思う。

 働くときは懸命に働き、時には長期休暇を楽しむことがいい仕事に近づく早道だ。メリハリのついた仕事をすることが必要だ。

 物に囲まれた便利すぎる生活よりは多少不便でも自然に囲まれた心豊かな生活に戻りたい。都会で働く人は休暇をしっかりとる社会習慣が定着して欲しい。


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2009/06/11(木) 05:48:00 [雇用制度論]


 野村証券は7月から、社員の報酬が業績に連動する成果報酬型の雇用制度を導入する。新たに導入する「特定社員」と呼ぶ職種を社員が自ら選択できるようにするもので、国内の法人取引部門では全体の約45%の社員が同職種に移行するもよう。外資系金融機関と似た働き方を取り入れることで、旧リーマン・ブラザーズ出身の社員との人材の融合を急ぐ。

 移行の対象となる約2400人の国内社員のうち、7月から特定社員になることを決めたのは約850人。中でも国内法人取引部門(約1600人)では約45%となる700人強が特定社員になることを決めたようだ。今回は選ばなかった社員も来年以降、移行を選択できるため、今後も人数が膨らむ公算が大きい。

[2009年6月10日/日本経済新聞 朝刊]


 業績連動型の給与体系が大きな流れとなっている。給与原資を最低限にして優秀な人物を処遇することが標榜されている。年功序列賃金は定期昇給制度が典型的なように「一定の給与原資が必要な制度」である。
このためこうした成果報酬型の給与体系が導入されている。

 しかし一方で退職金制度と連結した基本給制度は長い歴史の産物であり簡単に止めましょうというわけにはいかない。人事制度の根幹をなすもので仕事給についてのみ業績連動させるのは中途半端になっている。

 他方で少子化・人口減社会の進行により将来の労働者不測は避けがたい情勢であり「業績重視で人が集まるかは必ずしもよくわからない」」のでどうするのか判断をしていない会社も多い。逆に年功序列重視で人を集めている企業もある。

 この制度は社員がどちらかを選択できるというものでそれもひとつの解決ではある。しかし当初は年功序列で途中で業績給与を選ぶことが退職金も含め全体として整合しているのかよくわからないのが実態だ。今しばらく人事の悩みは続く。


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2009/05/15(金) 11:32:47 [雇用制度論]


 アサヒビールは13日、女性社員が会社で活躍できる制度づくりを検討するプロジェクトチームを立ち上げた。アドバイザーは坂東眞理子昭和女子大学学長が務め、女性管理職の拡大計画などをまとめる。ビールの売り上げ不振が続く中、女性の視点を活用した商品開発ができる体質への転換を急ぐ。

 アサヒが立ち上げるプロジェクトチームは年齢や性別などを問わずに選抜した社内の20人。アサヒの役員・管理職に占める女性比率は2.9%(2009年4月時点)と、5年前から1.3ポイント上昇しているが一段の拡大を目指す。

[2009年5月14日/日本経済新聞 朝刊]


 おおよそ人間の半分は女性。長期的な労働力不足の見込みの中で女性の活用は待ったなしの課題だ。長い労働慣行や社会慣行の中でしみついた男性優位の仕組みを変えることは一朝一夕ではできない。

 この例のように女性の活用のためには意図的な人事管理が不可欠である。多くの女性を集めるためにも女性の管理職の登用が一番の薬。理想的には管理職の半分は女性だが現実にはまずは女性管理職を登場させることから始めることだ。

 この課題に対する政府の取り組みが殆ど見えないのも残念だ。


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2009/04/04(土) 13:05:08 [雇用制度論]


 三井住友海上火災保険は4月から、企業の一般職にあたる事務業務中心の社員が課長に昇進できるよう人事制度を改めた。従来は主任までしかなれなかったが、管理職にあたる課長にまで昇進できる道を開き、女性社員の労働意欲を向上させる。来年4月にも一般職の課長が誕生する見通し。一般職のまま課長に昇進できる制度は損保業界で初めてという。

 課長へ昇進が可能になるのは転勤がなく事務業務を中心に担当する一般職約7000人。7月にまず一般職で主任となっている社員数十人を課長の一つ手前の課長代理へ登用する。

[2009年4月4日/日本経済新聞 朝刊]


 かつて女子業務を事務補助に限っていたが、男女差別の撤廃の流れの中で総合職を導入した。総合職は記事の中にあるように「転勤があり全国どこでも配属される」もの。給与も当然総合職のほうが高い。

 しかしこうした秩序はいわば身分差別に近く一般職の中の優秀な人物は不満のある仕組みだ。ガス抜きのための総合職だが逆に一般職に留まる人にもガス抜きが必要ということだ。

 そもそも転勤の有無で処遇を変えること自体に無理がある。終身雇用・年功序列の中で「誰もがそれなりに処遇された懐かしい時代の遺物」で初めて納得できる制度。

 会社に不満があれば容易に会社を辞める時代には故なき差別・区分は存続できない。


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2009/04/03(金) 08:46:41 [雇用制度論]


 スイス系製薬会社のノバルティスファーマ(東京・港、三谷宏幸社長)は、4月から自宅で勤務できる「テレワーク制度」を導入した。育児や介護などの特別な事情がなくても週に1回、自宅で勤務できるようにする。

 働きやすい職場を整備することで多様で優秀な人材の確保を目指す。営業を担当する医薬情報担当者(MR)など外勤の職場は対象外とする。2007年9月から08年12月まで試行的に開発・情報システム部門の50人がテレワークを実施していた。

[2009年4月3日/日経産業新聞]


 IT社会の下でどう働くか。いつも時間と空間を同じくする必要はない。特に働く場所は柔軟に対処できる。わざわざラッシュにもまれて疲れることもない。

 テレワークとして在宅勤務やSOHOなどが挙げられる。家賃の高い一等地に高いコストのでかいオフィスを持つ必要もなくなる。

 仕事の成果=労働時間×労働の質であり労働の質=知識・技能etc×労働意欲である。これまでは分かりやすい労働時間だけをメインに管理してきたがこれからは労働の質部分に焦点があたるということだ。つまり社員をコントロールするという発想の転換が鍵となる。たとえ時間が多少減っても成果は逆に上がることもある。

 特にアイディアや創造的な業務にはテレワークは最適。この事例は週1日だが逆に出勤が週1日でもいいようなやり方が理想だ。文字通り自主管理できる会社の土壌作りが進めばとてもいい会社になる。社員も会社も共に共通の目標となりうる。


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2009/04/01(水) 11:00:59 [雇用制度論]


 転職サイト大手のエン・ジャパンは、企業の人事担当者らにワークシェアリング(仕事の分かち合い)についてアンケート調査した結果をまとめた。ワークシェアリングの導入をどう考えるか聞いたところ「難しい」が66%、「検討はするが難しい」が17%で、消極派が8割を超えた。「導入済み」は3%、「導入を前提に検討中」は5%だった。

 消極派に、その理由を複数回答で聞いたところ、「1人が担当する業務を切り分けられない」が55%で最も多かった。「既存社員の給与を下げられない」が54%、「業務効率の悪化を避けられない」が48%で続いた。

 ワークシェアリングそのものへの評価では「雇用問題の解決になると思えない」が60%となり、「雇用維持に必要」(29%)、「雇用創出に必要」(11%)を大きく上回った。

2009年04月01日 Nikkei BizPlus


 ワークシェアを文字どおり解釈すれば「一人分の仕事を分ける」ということになる。現業系では操業時間を短くすることで結果的に分担はできる。

 それに対し企画・事務系の仕事はわけられないという反応が出る。しかし本当にそうだろうか。例えば事務系もトータル時間を削減してその範囲で仕事をしてもらえばいいのではないか。一定の時間外でこなせない場合は個別に補助者や分担変更をすればいい。

 給与はワークシェアの趣旨から時間短縮相当分は下げる。事務系の仕事はもともと可塑的なもの。時短分の仕事をカットすることでいい。どうしても無理な場合は時間外でカバーすればいい。

 要は発想の問題だ。一人分の仕事を分ける必要はない。就業時間を短縮しその範囲で仕事をする工夫をすればいい。通常の時短のイメージでいい。かたくなに考える必要はないのだ。


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2009/03/18(水) 08:23:04 [雇用制度論]


 東芝が4月に予定していた組合員の定期昇給の実施を一時凍結する検討に入ったことが17日明らかになった。近く労働組合に申し入れる。凍結期間は半年を軸に調整する。東芝は18日に定昇の維持を労組に回答する方針だが、業績の急速な悪化に対応した緊急対策としてその実施を先送りする。東芝が打ち出した定昇凍結の方針はほかの電機大手の交渉にも大きな影響を与えそうだ。

 東芝はIT(情報技術)バブルの崩壊で業績不振に陥った2002年にも半年間の定昇凍結を実施したことがある。このときは松下電器産業(現パナソニック)、NECなども定昇の一時凍結に踏み切った。

 今春の交渉で、東芝は賃金改善4500円という労組の要求にゼロ回答する方針を固めている。定昇の一時凍結で人件費を抑制、早期の業績回復につなげる考えだ。

2009年03月18日 Nikkei BizPlus


 基本給=初任給+Σ(定昇)で表される。通常、定昇にはマイナスがないことから、基本給は上がり続ける賃金となる。

 毎年定昇が積みあがる結果、勤続年数の多い者が高い。定昇をなくせば前年の新卒と翌年の新卒とが同じ水準になる現象が起きる。例えていえば定昇は「エスカレーターに人が乗って毎年階段を一段ずつ上っている」もの。

 だからエスカレーターを止めてしまえば一番下の前年入社者と今年の新卒が一番下に同じレベルで並んでしまうのだ。

 1年も仕事をしてきた先輩とまだ仕事も知らない新卒が同じ給与を貰うことへの抵抗感が生まれる。逆に言えば新卒より高い給与を払うことでプライドが保てる。 こうして定昇は得もいえないうまい仕組みとして機能しているのだ。


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2009/03/13(金) 11:52:53 [雇用制度論]


 電機、自動車大手の今春の労使交渉で、定期昇給を維持する動きが広がってきた。パナソニックやNECなど電機大手が相次ぎ定昇維持の方向で調整に入り、自動車ではトヨタ自動車に続きホンダが実施する見通しになった。各社とも労働組合の賃金改善要求にゼロ回答する方針だが、定昇の見直しには踏み込まない。各社の業績は急速に悪化しているものの、実質的な賃下げを回避し組合員の士気低下を防ぐ。

 定昇は年齢や勤続年数、資格などに基づき年を追って賃金が増える仕組み。凍結・減額されれば生涯賃金が減り実質的な賃下げとなる。世界同時不況の中で進む今春の交渉では、定昇を維持できるかが最大の焦点になっていた。

[2009年3月13日/日本経済新聞 朝刊]


 定昇は特別な賃金システムである。そもそもは「フラットな労務構成を前提として賃金原資の増加を伴わない」、「賃金カーブを維持する」ための「年功賃金」を維持するもの。(この件についてはこちらを参照 

 近年成果主義が標榜され次第に隅に追いやられる終身雇用・年功賃金の最後の砦ともいうべきもので「企業も本当に定昇を止めるのか」なかなか難しい問題である。

 少子化・人口減社会の」到来で長期的には労働者不足が予測されており誰かが先に行かないとなかなか踏みきれない。成果主義の見直しと年功的賃金の微妙なバランスが必要である。単に今苦しいからという理由だけでは廃止してはならない。 


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